ゴルフは「打ち方のスポーツ」と思われがちですが、実際には「考え方のスポーツ」です。
同じ残り距離、同じライであっても、スコア状況やその日の調子によって、選ぶべき戦略は大きく変わります。
そのホールごとに「攻めるのか」「守るのか」「ボギーで良しとするのか」「バーディを絶対に狙うのか」という選択肢があり、その選択の積み重ねがスコアに直結します。
今回は、どんな場面でも共通して役立つ「4つのマネジメントの型」を整理し、読者の方が自分のラウンドで活かせるように解説していきます。
まずは状況の整理
まず大前提として、ゴルフでは一打一打の状況を整理することが重要です。
距離、ライ、風、ピン位置、ハザード、そしてスコア状況。これらを踏まえて初めて「正しい選択肢」が見えてきます。
しかし、多くのアマチュアは「クラブの距離だけ」で判断しがちです。これはゴルフ場でゴルフを楽しむ上では避けて通れないプレーファストの精神もあって、手っ取り早く、距離だけで番手を選びおおよその目標方向で打つということも根底にはあります。
ただ「残り150ヤードだから7番アイアン」といった単純な発想は、やはりリスクを生みます。
実際には、同じ150ヤードでも、風が逆なら届かないし、前に池があれば刻んだ方が良いかもしれません。逆に残り50ヤードでも、ライが悪ければ無理に寄せに行くよりも安全策を取った方がいいこともあります。
ゴルフは常に「状況に応じた選択」が問われるスポーツ。
だからこそ「攻める」「守る」「ボギーで良し」「バーディ狙い」という4つの基本パターンを知っておくことで、冷静に判断できるようになります。
攻める時の選択肢
まずは「攻める」という選択肢です。これは、パーやバーディをどうしても取りたい場面で有効です。
例えば、パー5で2オンを狙える位置につけたとき。
ここで「攻める」なら、リスクを承知の上でスプーンを持ち、グリーン方向を狙う選択になります。
ただし、攻める時には必ずリスクが伴います。OBや池、バンカーにつかまる可能性を理解し、そのリスクとリターンを天秤にかける必要があります。
攻めのショットは「決断力」と「覚悟」が重要です。
中途半端に迷いながら攻めると、スイングが縮こまり、かえって最悪の結果になりがちです。
攻めると決めたら、リスクを承知で思い切りよく打つ。これが成功のカギになります。
守る時の選択肢
次に「守る」という選択肢。これは「無理してパーを狙わず、確実にボギー以内に収める」という考え方です。
例えば、ラフからの150ヤード先にグリーンがあり、その手前には池がある場面。
グリーンを直接狙えば、ミスしたときに池ポチャのリスクがあります。
そこで「池の手前の花道に刻んで、次のアプローチで寄せワンを狙う」というスコアを守るという選択が有効でもあります。
守る戦略の最大のメリットは「大叩きを防げる」ことです。
ダブルボギーやトリプルボギーを打たないだけで、スコアは大きく崩れません。
一方で、守りすぎるとチャンスを逃してしまうこともあります。
したがって「守る」と判断するのは、「ここでリスクを取る必要はない」と明確に線を引けた場面であるべきです。
ボギーで良しと割り切る選択肢
ゴルフでスコアをまとめるために、非常に大切なのが「ボギーで良し」と割り切る選択肢です。
例えば、深いラフに入ったときや、林の中から無理にグリーンを狙う場面。
ここで「パーを狙う」と欲を出すと、大きなトラブルに発展することが多いです。
そんなときに「ここはボギーで良い。むしろボギーを取りに行って、ダボだけは確実に避ける」と割り切ることができると、スコアが安定します。
ボギー狙いは決して消極的ではありません。
「スコアを崩さないための積極的な選択」だと考えてください。
特に競技ゴルフでは、ボギーで耐えて次のホールもしくはその先のホールでチャンスを掴むことが、結果的に好スコアにつながります。
バーディを絶対に取りたい場面の選択肢
一方で、状況によっては「バーディを絶対に取りたい」という場面もあります。
例えば、マッチプレーで相手がピンそばにつけているときや、ストロークプレーで終盤に1打差や2打差を追いかけているとき。
こうした場面では、リスクを承知の上で「攻めざるを得ない」状況が生まれます。
この場合は、ミスしたときのリスクを想定しつつも、勝負をかける勇気が必要です。
ただし、攻めるからといって「無謀なショット」を選んではいけません。
自分の持ち球やその日の調子を考えた上で、リスクの少ない攻め方を選ぶことが求められます。
「ここは絶対にバーディを取る」と決めたら、迷わず振り切ること。
勝負どころでは、この覚悟がスコアに直結します。
その日のミスの傾向、ショットの傾向を組み込む
どの選択肢を取るにしても、忘れてはいけないのが「その日のミスの傾向やショットの傾向を考慮する」ことです。
例えば、ドライバーが右に出やすい日なら、右サイドに池があるホールでは無理に攻めない方が賢明です。
アプローチでトップが出やすい日なら、奥が狭いピンを狙うのは危険です。
自分の調子を客観的に把握し、その日のプレーに合わせて戦略を柔軟に変える。
これができると、ミスを未然に防ぎ、スコアの安定につながります。
まとめ
ゴルフは一打一打で選択肢を迫られるスポーツです。
「攻める」「守る」「ボギーで良し」「バーディを狙う」という4つの選択肢を理解し、状況やスコア、そしてその日の調子に応じて最適な判断をすること。
これこそが、スコアを崩さず安定させる最大の戦略です。
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